WAIGEN

S極(SENRITU)+
N極(NOIZE)=
WAIGENMODORU

歪談 / 2014 新春ビッグ歪談

歪談
歪弦メール談義 毎度の如く文字通り「激動」の年となった2014年
歪弦の2人による新しい年の門出を祝う新春談義
横浜⇔宮崎の往復電子書簡ノーカット

くにや:みなさま、新年、明けましておめでとうございます。
歪弦のそちらから向かって右側のくにやです。
On 2013/12/23, at 17:21

こじま:どうも明けましておめでとうございます。
歪弦、うしろからまわって見たらやっぱり右側のこじまです。
2014年、突入ですね。
去年からの流れから来て、そちらの今の状態はどんな具合ですか?
2013年もお互いなんかしらやっていたとは思いますが、創作への環境や心境などは。
On 2013/12/23, at 23:34

くにや:いま、割りかしいいかんじでやっています。
去年は海外やら行ったり、そこでライブしたり、
一昨年に続いて三上さんのライブイベントを組んだり、いろいろとあった1年でした。
でもまだまだやったろうという気持ちでいっぱいです。
グーピルもすごいニュースがありましたね!極東最前線のコンピCD参加。
今日まで我慢してました。おめでとうございます!
On 2013/12/24, at 11:44

こじま:ありがとうございます!
極東オムニバスは良い経験をさせてもらいました。ホントそれに尽きますねえ。
しかもまさか吉野さんとサシで飲めるとは思わんかったです。笑
海外って色々まわってきたんですよね?アジア方面でしたっけ?
ライブはゲリラ的な感じですかね。どうでした?音楽や演奏に対する反応は?
On 2013/12/24, at 23:06

くにや:やはりイースタンユースは心のふるさとですから人ごとではなく、
うれしいと思ったし興奮しましたよ!

海外はベトナムとマレーシア、オーストラリアのメルボルンの3カ国です。
メルボルンで友人が組んだイベントに出たんですけど、
どうやらメルボルンはノイズ•エクスペリメンタルシーンが熱いみたいで
その日もそんな感じのイベントでした。弾き語りやったんですけど、
みんな静かにちゃんときいてくれてありがたかったです。
たぶんなんですけど、
向こうの人たちはポップスと同様にノイズミュージックやらカジュアルに受け入れていて、
そういう点では日本より進んでいるなあと思いました。
たまたまかも知れないけど、そういう音楽が好きな人に何人も出会いました。
その日のイベントで女性のノイズミュージシャンも多かったのもビックリして、
日本ではありえないことに、少しカルチャーショックを受けました。

小嶋さんも以前、アメリカで演奏したんですよね?
どうでした??
On 2013/12/25, at 20:09

こじま:そう言ってもらえるとうれしいです!

これまた一風変わった3カ国だったんですねえ。
ベトナムとマレーシアも気になるところですが、
オーストラリアってのも面白そうですねえ。
確かDIRTY THREEってかっこいいインスト・バンドもオーストラリアだったし、
ロック系も活きのよさそうなイメージの国ですよね。

メルボルンってのは都会な感じですかね?ニューヨーク的な?
ノイズシーンがあるってだけでもコアな音楽好きが多そうでいいですねぇ。

日本は暮らしていても本当に音楽が身近にないですよね、、。
最近はますます減ってる気がしますし。そもそも良い音楽が町からもTVからも聴こえてこない。(ラジオはどうなんだろう?)
下手すりゃ音楽って退屈だと思われかねない状況です。
"いやいや音楽っていいもんなんですよ!"ってのをなんとか届けないといけません。

以前アメリカでGOLDENで回ったときは、そこまでのカルチャーショックはなかったんですが
やはり日本よりは身近に音楽があって羨ましさは感じました。
例えば、ライブバーの暮らしへの近さやバンドの練習環境やライブする場所の熱気など

行ったのがニューヨークだったので多少東京の音楽と似てる(東京が似てる)のか
音楽シーン自体も頭打ちで、度肝を抜かれるようなのはなく、それぞれのアーティストが良い意味でも悪い意味でも
プロフェッショナルに坦々とやっている印象があったような。そんな感じでしたね。

この3カ国をチョイスした理由とかってあるんですか?
メルボルンはご友人繋がりみたいですけど、ほかの2つは?
On 2013/12/25, at 23:44

くにや:メルボルンは
都会的だけど古い町並みも残ってる、イメージで言えば、パリに近い感じだと思いました。
で、町並みとか車とか見るものすべてに興奮してしまって
まるで映画の世界に飛び込んだような気分になりました。
というか、こんなにも自分はウェスタンスタイルの国に
憧れを持ってたんだということにビックリしました。

身近といえば、あっちの人が風呂に入ってるとき外からかなりホンイキで
歌を歌ってるのをきいたことがありました。
普段からもあそこまで何も考えずに、歌えたらいいだろうなあと思いました。
ダンスパーティーもあったんですが、あっちの人の踊りをよく観ると
実にバリエーション豊かで
生まれつきのグルーブというか、本能をみたような気がしました。
いま思えば、じぶんも少しづつでも積極的に参加して楽しめば良かったと思います。
日本人の謙虚さは、世界に誇れるようなものだと思いますが、
恥ずかしさが前にきてしまい、時には仇になると分かりました。

にしても!
現状はくだらない音楽でいっぱいですよね。
なんなんなんでしょ?
去年もというか、歪弦のセルフライナーでも毎回言ってるかも知れないけど、
あいも変わらずクソ金にまみれたものばかりです。
紅白のあまちゃんバンドで、大友良英がチコっとノイズやるていうの期待してるぐらいです。いま。

チョイスは、メインがオーストラリアのメルボルンで
あいだに前からずっと気になってたベトナムがあるから、
ついでに行こっと思って行って、マレーシアは乗り継ぎの国でチビっと滞在しました。
そんでベトナムはメルボルンより磨きをかけて、本能丸出しの国でこれまた素晴らしいところでした!
ニューヨークや都会より、
シーンや何もなく、これからうごめくようなそういうところが面白いのかも知れませんね。
On 2013/12/27, at 20:51

こじま:外国に行って自分とは違う世界、違う文化で日常生活を営んでいる人たちを
目の当たりにすると単純にテンションあがりますよね。笑
溶け込むにせよ、旅行者として傍観するにせよ。それが旅行の醍醐味でしょうし。
まあでも我々(西洋生まれの)ギターという楽器を手に取った身としては
やっぱりどこかで西洋への憧れはあるんでしょうね。
ギターそのものとそこから生まれた歌や音楽。

日本人はマジ謙虚です!笑。いやんなっちゃうくらい。嫌いじゃないですけど。
ステレオタイプかもですが、欧米が「自分が、自分が」な個人主義なら、日本は「自分」を出すのは恥ずかしい、
っていうのですから全く真逆の価値観ですよね。
日本の庶民の踊りといえば盆踊りですけど、(もう若い世代にきちんと伝承されていくのかあやしいですが)
あの踊りが日本人の音楽性や音楽への参加の仕方をすべて表しているような。
いや、音楽だけじゃなくあれこそ国民性そのものみたいな。
みんなで同じ動きをして楽しむのが大原則で、好き勝手に踊って自分を表現する方向へは決して行かない。
この辺はやっぱり狩猟民族と農耕民族の違いから来てるのかもしれませんね。
狩猟ってある意味ヒーローが生まれやすそうなものですし、
反対に農耕には集団の協調性が欠かせず1人で勝手にやれるものでもない。

と、なんだか話がわけわからなくなってきましたが、
クソ金にまみれた方々が、「私は金にまみれてるんだ!貧乏人どもざまーみろ!」って歌えばすぐロックになりそうですけど、
金と人気のためにどうでもいいことしか歌わないですもんね。

ベトナムとかってライブハウス的なとこってあったりするんですか?
On 2013/12/29, at 01:29

くにや:なるほど、農耕と狩猟ですか。
確かにナスとったどー!ていうより、オオカミしとめたとかのほうがヒーローは生まれやすいでしょうね。

でも、今の日本の音楽って(大人数すぎるアイドルグループを筆頭に)
音楽までにも「協調性」を求めすぎてるような気がします。
なんで好きでやってるようなことにまで、それを盛り込むのか理解出来ません。
こちとらジュウニブンに労働で協調性を求められてるし、
もう好きな音楽にまでそれを盛り込まれたくないから、そういう音楽は一切ききたくありません。

バンドでも協調性が大事とかたまに言われますが、ホントにすごいと言われてるバンドは
個人個人が同じバンドのベクトルに乗っているか、乗ってないかそれだけだと思います。
もうほとんどの日本人は畑耕してないから、好きなことに関しては
もっと好き勝手にやれば良いと思うんですけど、美徳である奥ゆかしさと謙虚さは忘れずにのこして。。

ベトナムはライブハウスはありましたけど、ショーパブみたいな感じでつまらないものでした
が!
ストリートでとんでもないものをみました( !” 。” )!←手づくり
On 2013/12/30, at 01:35

こじま:國谷英樹がベトナムのストリートで見たものとはッ!!!?
On 2013/12/30, at 13:38

くにや:はい、夜、通りで飲んでたら
ふたり組のおっさんストリートミュージシャンで
ひとりはボロボロのエレキギター(ストラト)を持ち、ヘッドにお金を入れる袋をぶらさげてて
ギターの上のほうのボディにマイクをくくりつけて
肩にはちっこいアンプをからって歌いながら歩いてきました。
歌はおそらく、ベトナムの民謡?みたいな感じで
そのギターサウンドはなぜか、ディレイがかかっていてめちゃサイケデリックでした。
そのギタリストの後ろに盲目でタンバリンを強烈にリズミカルに叩くおっさんがいて
ふたりは腰にひもを巻いていて結ばれていました。
とにかくサイケデリックな光景でこの世のものとは思えませんでした。 

場所はバックパッカーが集まるちょっと有名な
にぎやかな通りだったんですけど、
地元で店をやっているおばさんとか店先から出てきて、
袋にお金を入れてるのがすごいなと思いました。
そういうのって観光客だけ相手にすると思ってて、通りにいる現地の人も
結構お金を入れていて驚きました。 

そういったことも含めて、あそこまで土がついた音楽をきいたことも観たことも
なかったのでとても衝撃をうけました。絵で描くとこんな感じです!
On 2013/12/31, at 0:55




こじま:これはすげえ!
北野武のDollsって映画で"つながり乞食"ってのをモチーフにした「紐で繋がった夫婦」の話がありましたけど
まさにそれじゃないですか。しかも絵が昔話の赤鬼と青鬼みたいで非常に味があります。笑

ストラトとさらにディレイ気味ってのもいいですね。
どの国でもやっぱり精神的にも(多少は金銭的にも)救いになってるってことは
やはり音楽に得体の知れぬ底知れぬパワーがあるってことじゃないでしょうか。
何かこうあらゆるモヤを吹き飛ばすようなパワー。
虫とか鳥とかも少し音楽風なのを奏でますけど、ここまで音楽を操る生き物は地球上で人間だけですし。
(あっでもそう考えると、宇宙人がもしいて音楽を持っていたなら彼らの音楽を聴いてみたいものですね)


『音楽』


これはやはり追い求める価値ありですよ!
我々が生きる中で音楽を選び取ったのは間違っていないと改めて思います。
On 2013/12/31, at 11:39

くにや:よかった!伝わって。
こればっかは小嶋さんに伝えたくてスゲェものみた!と。

おれも「音楽」に対してそう考えていて、まるで音楽の神様がいるようで
何回も何回も救われたような気分になりました。
かといって、神はみてるだけですけど。(笑〕
一緒懸命やったとき、時々ボソっとなんか贈り物的なもの落とすようなイメージで。

そうそう、人間である以上
虫や鳥の声や波の音やらに負けないぐらい
人間を全うして人間にしか出来ない音楽をやりたいですな!

おっしゃ!
今年もよろしくおねがいします。
On 2014/01/01, at 14:53

こじま:変な宗教より音楽の方が遥かに健全ですもんね。
俺、でもこの"変に悪ぶることなく等身大の自分としてヤバイ音から繊細な音まで表現できる"
という音楽のこの健全さが好きなのかもしれない、と最近思っております。

それじゃあ今年もいっちょよろしくお願いします!
俺たちも音楽の神様をひもかなんかで腰に結んで2014年を練り歩くことといたしましょう。

いざ!
On 2014/01/01, at 16:32