WAIGEN

S極(SENRITU)+
N極(NOIZE)=
WAIGENMODORU

歪談 / 2013 新春ビッグ歪談

歪談
歪弦メール談義 文字通りまた「激動」の年となった2012年 その年の瀬 
思いつきにより端を発した 歪弦の2人による新しい年の門出を祝う新春談義
横浜⇔宮崎の往復電子書簡ノーカット

國谷:では。

どうも新年明けましておめでとうございます^_^
歪弦のくにやでございます。
いや、しかし2012年は
めまぐるしい世情でしたね~
小嶋さんどうでした??

On 2012/12/26, at 11:22

小嶋AKEMASHITE OMEDETOU GOZAIMASU. WAIGEN KOZIMA DESU.
というわけで始まってしまいました2013年。
確かに去年は社会的・政治的・世界的に変化の年だったみたいですが
俺の方はといえば相も変わらず"好きなことをやってみた!"という1年だった気がします。
CDこそそんなにたくさんは作れませんでしたが、GOUPILのスタジオ曲作りなんかでは
だいぶ進化して深まってきたような気がしてます。
バンドも長くやってるとワクワクのハードルも嫌でも上がりますからね。
それは良い感じで越せてるかな、と。

そちらはどんな感じでした?
ライブで言えば無善寺遠征での三上寛さんとの共演、
そして何より、その三上さんの"宮崎招聘"という稀有な体験!
かなり感慨深い年になったんじゃないですか?

On 2012/12/26, at 22:12

國谷はい、去年はおもいっきし羽ばたかせてもらいました!
5年間続けていた悪夢のようなシゴトをやめた、その反動かもしれません。
三上さんとの出会いを始め、色んな人との出会いに恵まれた1年でした。
厳しい世情もなんのその、これからもなるだけ巻き込まれずに
もっともっと勝手に好きなことやりたいとおもってます。

そう、去年の6月、初めてGOUPIL AND Cのライブを観れたこともよかったです。
初めて知ったのが2008年、あしがけ4年の悲願でしたから。
GOUPILのTHE SMITHSのカバーはちと衝撃でした。
ちょうど今年、スミス熱が激高まっていてそればっか聞いてて、
モリッシーの髪型をまねるほどはまっていましたから。

そう、なんでSMITHSのように今の日本のポップミュージックの連中て
歌わないんですかね?
あのころのイギリスのように日本も鬱屈した状況なのに
相も変わらずハシにもボウにもひっかからないような、おバンドばかりで。
まぁ別に関係ないんですけど、
楽器を持たずホストまがいの「エアーバンド」なるものが出てきたことは
軽く殺意が芽生えました(笑)
多分、本能的にゴキブリやハエをみて、
殺さなきゃいけないという気持ちになったのと近いとおもいます。

On 2012/12/26, at 23:11

小嶋そうですね。
こちらを奮い立たせてくれる人との出会いは重要ですよね。
俺は去年の後半、山下清を"発見"したところです。とてもいい。

本人でもいいし作品でもいいですけど刺激は大切です。
普通~に暮らしてると見逃してしまうからしっかりアンテナ立てとかないといけません。
SMITHSカバーとは関係ないんですが、去年はモリッシーおじさん来日でようやく初め
見ることが出来ました。
今なかなかに第二の黄金期ともいえる歌唱でしたよ。

ポップミュージックも深み毒ももなくなって久しいような感じですね。これは海外も同じですかねえ。
薄っぺら~い。血の通ってない。ゴミ。
もうそんな音楽産業自体自滅してもらっていったん更地になった方がいいです。
百害あって一利なしです。え、音楽ってこんににつまらないの?って思わせてるだけですからね。
くだらない音楽だったら流さなくていいんですよ。なんか音楽バックに流しとけば格好がつくみたいになってるし。
結局音楽が好きでもなんでもない人が音楽を扱ってきたなれの果てが現在ということでしょう。

エアーバンドですか。初耳です。説明を聞くだにおぞましいですね。何がしたいんですかね...。

やっぱり音楽は魂の有無なんじゃないんですかね。
そして  魂=その人そのもの  という。

On 2012/12/27, at 23:00

國谷そう、アンテナと言えば
三上さんのアンテナも半端なかったです。
あの方といくつか野道を散策したんですけど、
「この人サバイバルできっと生きていける」って思わせるほど、
草木への知識がありました。
もし藤岡弘。と一緒にそんなテレビ番組をやったら凄まじいことになると思います(笑)
合わせて三上さんの著作
「怨歌に生きる」を読んでみたんですけど、
そういったごく自然なものに目を向けるターニングポイントがあったみたいです。
俳優や色んなことを経ながらいざ、
どん底に落ちたとき
草木やそこらにある自然なものに
興味が深くなって、これはすごい!と思い始めたそうです。
その本もですが、色んな貴重な話を聞けたことがラッキーでした。
そう、すべてのものには(草木や岩、尖閣諸島にも)神がいるとも言っていました。
三上さんが教えてくれた
カラスウリが去年最大のマイブームです(笑)
こんな不思議な植物をずっと見逃していました。
その後、カラスウリが群生している場所行ったんですけど、何でかカラスが二、三羽いたことにビックリしました。
名前の由来と何か因果があると感じました。

山下清分かります。
ウチに、ガキの頃に買った何かの個展に行って買った絵ハガキがあって、
時々それを観ています。
おれ、山下清を誤解してた時期があって、
今はたぶん、山下清を変に金儲けに転化するエセ画商みたいなやつらが嫌いなだけで、
山下清その人は素晴らしい人だと感じています。
でも山下清も、もしかしたらそういったエセを認めていたかも知れません。
そう考えるとある種、すごく懐の深い人だなあと思います。
なんにせよ、金やエセ的な思惑に関係なく作品自体は普遍的に素晴らしいというのが山下清の魅力でしょうね^_^
何事にも巻かれず、たくましく
我が力で作品を残す、憧れでもあり
自分の指針にもなります。
三上さん曰く、それは「号令」と言うそうです。
ちょっと三上さん信者みたいになっていますが(笑)
初めて漫才ライク師匠と呼べる人が出来たということが、去年の最大の出来事です。
あ、ちょっと長くなったんでマイク置きます(笑)
パス ザ マイク フォー コジマ さん
そう たましいです!

On 2012/12/28, at 10:06

小嶋カラスウリ、うちの近所の空き地にも実がなってましたよ。
実は鮮やかなオレンジ色だし、花は日没後に咲くという不思議な植物らしいですね。
枯れた野の中にあると映えます。

や、ほんとサバイバルや自然の知識(使える知識)がある人はかっちょいいですよね。
身近にあるものや自然にあるものでサッと何かが出来る人。

思うに小学校とかでも英語とか教えるよりサバイバル術や自然に学ぶ授業した方がいいですよ。
週1時間でも。なんか山に詳しいおじいさんとか呼んで野山を歩く!どれが食べられてどれが毒だとか。
ボーイスカウトみたいな小洒落たやつじゃなく。
自然を観察して為にならないことはないですし、
ただでさえ、いつ次の大地震がくるかもわからない場所に住んでいるんだから。
対人関係ばかりで対自然関係が不足してますもん。
こんだけ複雑な自然がある島国なのに。

三上さんの「神」の話、興味深いですね。

三上さんとはニュアンスが違うかもしれませんけど
俺も最近考えているのは、やはりこの世界の最小単位である原子や生物を形作る遺伝子などを
設計(とは言わないんでしょうけど)したものがもしいるとすれば、やはりそれが神かもしれない、ということです。
てことはつまり、原子で成り立ってる以上、全生物・全物質には神の意思が行き渡っている
(すなわち全てが神の具現化であり、神そのもの)
言えるのかもしれない、と。
でもこれは結局いったん宇宙の外(?)に出て宇宙を眺めてみないと永久に誰にもわからないと思いますけど。

山下清は、絵もいいんですけど、文章が凄くいいんです。おすすめ。
ぼや~っとした時間を過ごすことの大切さを思い出させてくれます。
たぶん絵は"仕事"だったんだと思います。
放浪で求めていたのは"何もしない時間"(つまり自由)だったようです。

抱負として、毎年やろうやろうと思ってはいるんですが
今年こそはちゃんとした絵を描こうと思っています。落書きじゃないヤツ。
音楽をやるのはもちろんのこと。

そういえばくにやさんの絵、HPで見てますが、えらい味がありますね。
ものすごい精密に描いてるように見えますが、どうやって描いてるんですか?

On 2012/12/29, at 20:02

國谷カラスウリ、すごいですね!
謎で何とも粋な植物だと感じます。

うん、そのサバイバル週1の案、賛成です。
その授業とても有意義だとおもいます。
子供をその気にさせるってのも大変だとおもいますが、
まず大人がその気にならないとだめですね。
そういう人が首相になれば良いんですけどね。
公約に、「野草の尊さを!」的なこと示す人がいれば良いんですが(笑)
これは冗談ではなく本気で大事なことだとおもいます。

神の話、興味深いです。
そうじゃないと説明つかない部分があるとおもいますし、
すべてのモノ、ペン、消しゴムひとつにしろ
そこには神が宿っていると感じたら
それをずっと大切に扱おうという気持ちが芽生えますもんね。

科学の向こうに神がいるのか、
神の向こうに科学があるのか、
う~んやはり自分は
さいごには神がいるとおもいます。
そう感じるのは、やはり自分が少なくとも心や魂がある人間だからでしょう。
科学じゃないとおもいます。人間は。

ヤマキヨの文章、ノーマークでした。
それは興味深い。
放浪あついですね!
すごい、ヤマキヨ。読んでみます。

絵はなんだっけ、サラサ?ゼブラの水性ペンで
書いています。0.3と0.4と0.7と1.0の太さで。
この前卒業した職業訓練校の授業中やらに書いていました。
考えてみたんですが、たぶん見つかっちゃいけないって緊張感が
描く意欲につながっていたかも。
図書館やファミレスで勉強する人がいますけど、
以前は「なんや、インテリぶりやがって、家でしろよ」て
斜めに見ていましたが、今は
不特定多数の何の関係もない他者から
"見られてる"て気持ちが働いて、
家でひとりで勉強するよりもはかどり、
何と言うか、それこそライブに近い感じで
勉強するぞっていう意欲につながってる様な気がします。

そう、水木しげるが書いた墓を見たとき、点点ですごい!と
おもいました。
ナニワ金融道の青木雄二の畳の描写もすごい。
そういう人たちの画力は魂を感じ、"観る"という視点では
時に生のライブよりダイレクトに伝わるような気がします。
その感覚を何とかライブに持ち込むというか、リンク出来れば
いいなあと考えています。
一線一点に魂を込めるということは
一音一音に魂を込めるということですし。

あ、そうそう小嶋さんはノミ使ったことありますか?
大工道具の。

On 2012/12/30, at 9:40

小嶋授業中に隠れて描く絵って何気に集中できますよね。
退屈な授業からの逃避の心がそうさせるんでしょうか(笑)。
何かしながら何かやるのも、うまいこと肩の力が抜けて良い効果が出ることもありますし。

そういえば水木先生も"自分を仕事机に長時間しばりつけておくためにもアシスタントは必要だ"みたいなこと言ってましたね。
だから無意識のところでしょうけど、人に見られてるか見られてないかってかなりモチベーションに作用するんでしょうね。
少なからず誰だって人によく見られたいでしょうし。
(そもそも"会社"とか"組織""集団"自体そういうもんなのかもしれません。
人に見られてるから出来る部分って多いんじゃないでしょうか。)
そう考えると、駅伝なんかも沿道の人たちがだ~れもいなかったらもしかしたらタイム落ちたりして。
(なんかいつもマラソンの話題が出てくるような笑 俺見ないのに..)

そして、実は今さっき(12/30)日本橋で山下清展を見てきました。
初めて見たんですけれど思った以上に良かったです。
やっぱり絵って精密に描けば描くほど執念が込められていく感じはしますね。
ひとつひとつ積み上がっていくというか、埋めていくというか。ハケでサーッと描く手法ではきっとあの執念感は出せませんよね。
なんだか執念がないと高く険しい山には登れないのと同じような気がします。

ノミは使ったことないですねぇ。
彫刻かなんかの話ですか?

On 2012/12/31, at 0:16

國谷や、建築のほうのノミで
この前修了した大工の職業訓練校でノミを使ってたんですが、
大変興味深い道具でした。
何種類も刃形幅が違うノミがあって
それこそペンみたいな感じで、用途に応じて使い分けるような感じでした。
電気ドリルを使わず、やろうとおもえば
ノミとトンカチで木に穴を開けれるということがすごいです。

で、そこの先生がモノを扱う基本の姿勢から丁寧に教えてくれる先生で
ノミの研ぎ方やノコギリを持つ姿勢やら、色んなこと習ったんですが
中でも、カッターの扱い方を習えたのが大きかったです。
なるだけ刃を寝かせて、刃の"面"を増やすことでサッと切れるということ、
あとケチらず切れ味悪くなったら怪我のもとになるし、カッターの刃を折って常に新しくすること、
今まで、CDジャケなどを切るとき刃を立て気味で紙を切ってたんですが、
要領悪かったなあとおもいました。
去年はそういった姿勢を正すことが多い1年でもありました。
基本、独学なんですがその独学を延ばすという意味でも
基本に還ることもアリだと気づきました。

山下清展!行きたかったです~

On 2012/12/31, at 11:12

國谷あ、モチベーションの話なんですけど
もし世界に自分ひとりしかいなかったらどうなるんでしょうね!?
他者がまったくいない世界。
似たような話、歪弦のセルフライナーで話してた気がするんですが、
どんな音楽、どんな絵、どんなものが出来あがるか、
もしくはなにも出来ないというか、する気にならない人が多くなるような気がします。
おれはそのことに興味があるから、多分何かをすると思いますが、
もし自分がマラソン選手だったら、確実にどっかで歩くとおもいます(笑)
そこでホンイキで走れる選手がホンモノなんでしょうね!
なんかち~と分かったような気がしました。

On 2012/12/31, at 11:26

小嶋あ、大工用のノミですか。
それはお目にかかったことないですねえ。
日本の木造建築技術は世界的にも歴史が古いから
使う道具も本当に必要なものに洗練されてるんでしょうね。

俺もCDジャケット作りの内職でカッター使いますけど
カッターなかなか侮れない道具ですよ。
こまめに刃を折ればほんとによく切れるし、使いこなせれば紙なんかにはかなり万能です。
たぶん結構大工道具とかってみんな自己流で使ってるから
道具の持つ本領を発揮できてないことも多そうですよね。
ノコギリとかも角度やスピードとか奥が深そう。

その辺もさっきの話じゃないですけど週1のサバイバル授業のカリキュラムに入れとけばいいと思います(笑)。
やっぱり男は家の修繕くらいできないと。

モチベーションの話。
これって我々が行うライブでも当てはまるんじゃないでしょうか。
こっちは同じでやってるつもりでもお客さんが多いのと少ないのとでは、
明らかに引き出される何かが違うと思います。経験的に。
あれは何なんでしょうかね。演奏がうまくいったとかいかないとかとはまた違う次元の"モノサシ"ですよね。
人と人の磁場とかバイブレーションなんでしょうか。

「なるべく人目にさらす」

これが何かをやる以上重要なのかもしれません。
だから今年の隠れテーマは

"人目にさらしていこう!"

でいきますか!
(おっ、なんかうまいことまとまってきましたかね笑)

GOUPILの方も今年はアルバムが完成した暁にはライブを多めにしたいなと思ったりしてます。

くにやさんは音楽や生活いろいろ含め、今年はどんな年にしたいですか?

On 2012/12/31, at 13:53

國谷そう、ノコギリの角度かなり学べました!
ノミの研ぎ方にしろ、ノコギリにしろカンナにしろ
大工道具を取り扱うことは
とにかく「脇をしめる」ということが大事みたいです。
行って良かったです!大工コース。
おかげで良い絵もかけましたし、
授業中、絵を描いてる時はこれがおれの職業訓練じゃ!
という気持ちで描いていました(笑)

磁場、あると思います。
その磁場の渦巻きの中で演者としてどうするか、
まだまだのミなんですけど
ひとつだけはっきり分かっていることがあって、
一番やっちゃあいけないことは
その渦巻きに巻かれることだとおもいます。

夏に高知のカオティックノイズというライブハウスに行ったのですが、
このような土地にこのような素敵なライブハウスがあったの!とおもいました。
そういう場所が各地に散らばってるから、その土地の空気や磁場を感じながら
出来る限り赴いてライブをしたいなとおもっています。
合わせて歪弦のCDをもっと売ること売れること!
ほいでいつの日か歪弦初ライブ!
『人目にさらしていこう!』

これが今年の抱負ですね!

On 2012/12/31, at 20:07

小嶋そういうこと!です!

磁場に巻き込まれるのではなく、磁場を生み出す人間を目指して。
それでは、今年も参りましょう。

On 2012/12/31, at 20:45
歪弦
2012/12/31